今回は前編と後編の2回にわけて住宅ローンのヤバすぎる現状とこれから起こる(かもしれない?)未来を語ってみたいと思います。
実は去年あたりから日本の情勢が変わってきていてその変化の波が住宅購入にも来そうな予感がしているのです。
というわけでまずは前編です。
ここでは最近の住宅事情や金利、頭金をみんなどうしているのか見ていきたいと思います!
これから住宅ローンを組む予定のかた、頭金はちゃんと用意していますか?
変動金利と固定金利の違いは理解できていますか?

【最近の住宅価格の高騰にビックリ!】
不動産経済研究所によると、去年4月~9月までの首都圏の新築マンションの平均価格は約6700万円で過去最高だったそうです!
これは一昨年の同じ時期よりも10%もの上昇です。
東京23区だけで見ると平均価格は8700万円にものぼるとのこと!!
これはとても気軽に手が出るレベルのものではありません。
ここまで価格が上昇した理由は、人出不足や建築資材の高騰のほかに新型コロナによる生活スタイルの変化も大きいと言われています。
リモートワークで在宅時間がふえたことによって、これまで住んでいた家の広さに満足できず住み替えを考える人が増えたのだとか。
またリモートワークを継続する人のなかには、どうせ通勤しないから郊外のより広い住宅を求めたいという人もいるそうです。
実際都心から電車で1時間くらいで、2路線以上使えるような物件は人気が上昇しているというデータもあります。
【住宅ローンの一般的な借り入れ期間は?】
住宅ローンの借入期間は最長35年が最も一般的ではありますが、金融機関によっては40年とか50年もの超長期ローンもあるそうです!
50年なんて言ったら半世紀ですよね!ビックリです!
ただし当然これらは誰でも借りれるわけではなく、完済時の年齢が75歳を上限にしている場合、40歳で借りるなら35年までしか借りれないけど35歳なら40年まで借りれるなど、年齢によって利用できるローンの最長期間は変わってきます。
で、気になる平均借入期間ですが、
国土交通省の2020年度の調査によると注文住宅の建築代の平均借入期間は約32.4年、土地代が34.2年、分譲マンションは31.1年となっているそうです。
この30年以上にわたる長期間金利を払い続けることになるわけです。
【住宅ローンの金利の種類は3種類】
住宅ローンの金利には次の3種類があります。
変動金利型
これは経済の状況によって通常半年ごとに金利が見直されるものです。
3種類の中で一番金利が安いのがメリットで、金利が変わらなかったり下がっていく局面で有利になります。
しかし金利が一定していないため、万が一金利が上昇すると返済額があがり家計を圧迫してしまうというデメリットがあります。
また返済額が一定の場合に金利が上昇すると金利の支払いばかりが続いて、いつまでたっても元本が減らず返済期間がどんどん伸びていくという事態に陥ることも懸念されます。
全期間固定金利型
こちらは最初の契約時から完済時までずっと同じ金利を払い続けるものです。
全期間返済額が一定なので家計管理がしやすいのがメリットです。
また全期間金利が変わらないので社会情勢が変化して金利が上昇しても安心です。
しかし一般的に変動金利よりも金利が高いのがデメリットになります。
この金利差は金利上昇に対する安心料みたいなものでしょう。
固定期間選択型(当初固定型)
最初にローンを組む時に3年・5年・10年など期間を決めて、その間は固定金利で支払い、期間が終わったら変動金利にするか再び期間を決めて固定金利で払うか選びなおすものになります。
こちらは固定期間中は金利が変わらないのが安心なのですが、固定期間が明けた時に世の中の金利がとても上がっていたら大変になるというデメリットがあります。
そのため、このタイプはローンの期間が短いとか返済の終わりが見通しやすい人に向いていると言えるでしょう。
【みんなどのタイプの金利をえらんでいるの?】
今、住宅ローンを借りている人の8割弱が変動金利型を選んでいます。
ちなみに全期間固定金利型が1割、残りの1割が固定期間選択型を選んでいるそうです。
この変動金利を選ぶ人たちは年々増えているそうで、2017年は5.5割程度だったのが8割弱までにのぼっているのです。
これは超低金利時代が理由とされているそうなのです。
たしかに金利はタイプによってだいぶ違って、全期間固定金利型のフラット35の場合(借入期間21年~35年)年1.33%、固定期間選択型の10年固定だと0.6%~1.2%、変動金利型だと0.3%~0.4%と大きく違っています。
全期間固定金利型と変動金利型では約1%も金利が違うんですよね!
単純計算での比較になりますが例えば3000万円を30年借りた場合をみてみましょう。
変動金利の利率が0.3%で30年変わらなかった場合
毎月の返済額は8.8万円
総返済額は3138万円
固定金利1.3%で30年借りた場合
毎月の返済額は10.1万円
総返済額は3625万円
というわけで、変動金利と固定金利では500万円近くも総返済額に差が出てしまうのです!
これはめちゃくちゃ大きいですよね!
【住宅ローンの頭金はみんなどうしてるの?】
約20年前くらいまでは物件価格の2割程度は頭金を入れたほうが安全だと言われていました。
また頭金を多く入れるほど住宅ローンの金利を優遇してくれる銀行もありました。
しかし最近ではそのトレンドもだいぶ変わってきているようです。
住宅ローンを利用する主力世代の30代で頭金ゼロの割合がなんと約38%!
頭金1割程度が約29%だそうで、この2つを合わせると全体の約2/3の人が頭金1割以下で住宅ローンを利用しているのだそうです!
また30代だけでなく全世代で見ても頭金ゼロでローンを組んでいる人が27%もいるそうで、ここでも超低金利時代による変化が出てきているようです。
また頭金の話とは少しそれてしまいますが、昔は住宅ローンの借り入れ額は年収の5倍程度に収めるのがセオリーでしたが、最近では7~8倍でも躊躇なく借りてしまう、また金融機関も貸してくれるところが増えているようです。
今時の住宅ローンは実に借りやすいものになっているのですね!
今回は最近の住宅ローンについてみんなどうしているのか、実態はどうなっているのかトレンドをさぐってみました。
こんなに住宅ローンが借りやすくなっているとは正直驚きです。
しかし冒頭で説明したとおり住宅価格がかなり高騰しているので、ここまで借りやすくしないとマイホームは一般人には手の届かないものになっているのかもしれませんね。
でもちょっと待ってください!
最近の社会情勢の変化によって、この借りやすくなった住宅ローンが一気に家計に牙を剥く可能性も出てきているのです。
…というわけで次回の後編は、最近の経済情勢の変化で借りやすくなった住宅ローンが危険なものになるかもしれないということに触れてみたいと思います!
ちょっと怖い話になるかもしれませんが頑張ってついてきてね!
ではでは~!!