奨学金についてネットでこんなことを言う人が一定数いるようです。
「奨学金はローンなのに奨学金という名前で呼ぶのは詐欺ではないか?」
「奨学金は詐欺だから騙されちゃダメだ!」
果たして奨学金は本当に詐欺なのでしょうか?

【奨学金は2種類ある】
奨学金は2種類あります。
一つは成績が良い人がタダでもらえる給付型の奨学金、もう一つは成績はそれほど良いわけではないけど進学したい人が借りる貸与型の奨学金です。
給付型は支給されたお金がもらえるので返さなくて良いのですが、貸与型は大学を卒業して社会人になってから働いて返さないといけません。
もし、もらったお金を返したくない、タダでお金をもらいたいのであれば良い成績を取って給付型の奨学金を受けないといけないのです。
【最初に説明されていませんか?】
奨学金を利用する時には給付型で申し込んで、ダメなら貸与型を利用するということになると思うのですが、その際に必ず説明を受けているはずです。
「貸与型は就職したらお給料から返済するものですよ」
「貸与型の奨学金には利息がつくタイプのものもありますよ」
こういった重要事項は必ず説明がありますし、ガイドブックにもきちんと明記されているはずなので知らないで借りるということはあり得ないのです。
貸与型はもらえるのではなくて借りるもの。
それをわかっていて借りているのですし、返済額や金利だって勝手に増やされたりしないでちゃんと契約を結んでいるので全然詐欺ではないんです。
【返済は忘れたころにやってくる】
奨学金が詐欺だと思いたくなりがちなのは、返済が「4年」という年月を経てからやってくるので、その間に「お金を借りている」という気持ちが薄れてしまうからなのかもしれません。
大学生の間は返済義務がありませんので、貸している側も何も言ってきません。
しかし大学を卒業して返済期間が始まるとさっそく奨学金返済を促す連絡がやってきます。
多くの人はそこで返済義務があったことを今さらながらに思い出して
「これは詐欺だ!」(自分が忘れていただけなのに)
と言い出すわけです。
自分が借りておいて好きなように使ってしまって、あとから返すのが大変だから
「これは詐欺だ!」
というのはちょっと間違っていますよね?
【奨学金は借金です】
奨学金という名前がついているので感覚が薄れがちですが、これは立派な借金です。
借りたものは必ず最初に決められたとおりに返さないと契約違反になってしまいます。
奨学金を利用する時は
「自分はこれから借金をするんだ」
「大学を卒業したら毎月〇円づつ返済しないといけないんだ」
とちゃんと自覚して借りましょう。
そうしないと大学を卒業して返済が始まってから慌てることになってしまいます。
【必要以上に借りすぎないこと】
「念のために多めに借りておこう」
などと言って必要以上に借りすぎてしまうと返済するときに大変です。
奨学金は確約のない未来に返済を託すものなので、万が一希望通りに就職できなかったら恐ろしいことになってしまいます。
奨学金は金利がとても低かったり金利がつかないタイプのものもありますが、それでも何百万ものお金を社会人1年目の初任給から毎月コツコツ返済しないといけないのは大きな負担です。
奨学金を利用する時はできるだけ必要最小限にして、足りないと思われる部分は大学生になってからアルバイトなどで補填するようにしたほうがよいと思います。
【制度をちゃんと理解して利用しよう!】
借入金額の大きさが実感できなかったり金利の知識がないままに奨学金を利用してしまうと、借りすぎてしまって返済が始まってから苦労するなどということになってしまいます。
奨学金を返済するのは未来の自分なのですから
「これだけの大金を借りると将来の返済がどうなるか」
といったことを借りる本人が自覚して、金利の知識も勉強して借りないといけません。
親任せや先生任せにするのは絶対にダメです!
【奨学金を叩くより制度改革を訴えよう!】
近年の教育費の高騰は社会問題とも言える深刻な事態だと思っています。
才能のある子どもたちがお金が原因で進学をあきらめるのは国益を損なう事にもなるので由々しき問題です。
しかし奨学金制度は決して貧困ビジネスではないし、それを必要としている人は大勢いるので奨学金制度を叩くのはちょっと違うかなと思っています。
奨学金制度にまったく問題がないわけではないですが、少なくとも詐欺ではありません!
成績の良い子はタダで奨学金をもらうことができるので、お金を返したくないのであれば頑張って勉強して良い成績を修めて、給付型の奨学金を受ければよいのです。
大金を払わずにだれでも大学に行けるようにするには大学までの学校教育の無償化を訴えるのがスジかなと思うのですがいかがでしょうか?
今日は奨学金が詐欺なのか?という疑問について私なりの見解をまとめてみました。
このような制度をきちんと理解せず、よくわからないまま利用するとあとから困ったことになってしまいます。
2022年4月から成人年齢が20歳から18歳に引き下げられることですし、お金を借りるというのがどういうことか
「金利って何?借金って何?」
という基本的なことも含めて、各家庭や学校でしっかり教育するべきだよなと強く思いました!
ではでは~!!